ときのや薬局 不妊

不妊

コウノトリ

『子宝』 に関する相談で多いのは、「病院にて不妊治療中・病院で検査したが原因がわからない・卵巣や子宮のトラブル(子宮筋腫・高プロラクチン血症・PCOSなど)・高齢などです。

漢方では妊娠・出産には体のエネルギーである気血(きけつ)が充実し、生殖能力・生命力の源である腎精(じんせい)が十分に機能していることが必要であると考えます。 つまり、お母さんお父さんが健康であれば、元気な赤ちゃんが授かりやすいという意味です。人によって対応する漢方養生はさまざまです。

漢方薬は、その方の体質(元気不足、血液不足、冷え症、イライラ、体液不足、水分停滞)に合わせて、過不足を調整し快適な身体を作ることを第一義に考えます。

そこに、女性特有のホルモン分泌の時期に合わせ、陰陽のリズムを的確にし、バランスよく周期が推移するよう補腎、活血、養血して妊娠しやすい体作りをしていくのが本来の目的です。

気になった方はときのや薬局を訪ねてみてくださいね。

コウノトリさんがやってきました。Eさんの場合

【5年間授からず。卵管が片側つまり気味】

32歳 5年間不妊でした。


不妊症のかたの多くは冷え症を伴うことが多いのですが、 この方は、ほてりがあり熱がこもった感じとおっしゃいます。 基礎体温は低温期も高温期もともに高めです。 低温期にはギザギザは激しく、ストレスから熱がこもっているのが 解ります。


卵管造影の検査では片側がつまり気味と言われています。 一般的な周期療法では身体を温める漢方薬を高温期に使いますが、 この方の場合は低温期も高温期も身体を潤し、熱やほてりをさます漢方薬を中心に服用していただきました。


お仕事柄ストレスも多く、疲労倦怠感も強かったので、疲れにくい 身体作りのための漢方もあわせて服用していただきました。


9ヶ月の漢方薬服用で妊娠しましたが、残念なことに初期に流産してしまいました。


その2ヵ月後に再び妊娠し、流産予防の漢方に切り替え無事に出産までお元気に過ごされました。


不妊期間が長く治療の効果がなかなか現われないと、精神的に疲れてしまい、眠れなくなったり、月経前症候群が強く出てイライラしたりしますが、そんな時は心をリラックスさせて安眠をもたらす漢方薬の手助けを借りて気持ちを軽くしていただきます。


ご主人の支えや優しさも大きな力になったと思います。 本当に良く頑張りました。おめでとうございます。


コウノトリさんがやってきました。Dさんの場合

【体外受精で、胚移殖後に漢方薬服用でそのまま妊娠】

Dさんは30歳 結婚4年目でした。

基礎体温は2相性。ヒューナーテストも卵管造影も異常なしでした。

AIH(人口受精)を6回 体外受精を2回試みていましたが、妊娠には 至りませんでした。


冷え症で疲れやすく胃腸が弱く、血液の循環も良くありませんでした。


3回目の体外受精で受精卵を戻したその日に始めてお目にかかりました。

今回はなんとしても妊娠したいという思いで、御来店くださいました。

着床を手助けし、子宮環境を良くし、血液の質を良くしてこのまま妊娠に至れるようなお手伝いの漢方を飲んでいただきました。

胃腸を丈夫にして、お食事から栄養をぐいぐい吸収できる底力をつける漢方も足しました。

ストレスから「気」のめぐりも停滞しやすいのでストレス解消の漢方も飲んでいただきました。


2週間後に妊娠判定がプラスとなり、今度は流産防止の漢方に切り替え無事に御出産なさいました。


不妊治療で心身ともに疲労困憊し小柄なお身体で良くストレスに負けずに頑張られたと感心しております。

やはり優しいご主人との二人三脚で、いたわり合い励ましあいながら頑張ったのだと思います。

只今は二人目を検討中とか。


コウノトリさんがやってきました。Cさんの場合

【無排卵・多嚢胞性卵巣の第二子不妊の方、ホルモン療法と漢方で妊娠・出産】

Cさんは31歳 結婚5年でお子様は一人3歳のお嬢さんがいらっしゃいます。

お一人目は少しの期間漢方薬を飲んだら、すんなりと自然妊娠で出産なさいました。

そろそろ二人目が欲しいなと基礎体温をつけ始めたところ、なんと低温・高温の区別がなく体温表は一相でした。

生理らしい出血は不定期ですがありましたが、これは無排卵の生理でした。

病院で検査を受けたところ、多嚢胞性卵巣といわれました。

多嚢胞性卵巣(PCO)は卵巣の中で排卵されない卵胞が溜まっていて、エコーで見ると 丁度真珠のネックレスのように数珠繋ぎの卵胞が並んでいます。

これでは排卵はできないとお医者様に言われ注射で排卵を起こす治療を始めました。 1年間ホルモン療法を試しましたがうまくいかず、又漢方薬で授かろうと思いご来店されました。

多嚢胞性卵巣は中医学的には「血液循環の悪さ」と「痰濁」のたまりが原因ですので それらをデトックスすることから漢方薬の治療を始めました。

半年間の服用で西洋医学との合同で妊娠することができました。 妊娠中出血がありましたが、流産予防の漢方に切り替え、無事ご出産されました。

最近多嚢胞性卵巣の方をたくさん見かけます。 生理が始まったときから、(初潮の時の意味で)血液循環を良くし、痰濁を溜めない食生活をしましょうとアドバイスしております。


人工授精・体外受精を乗り越えてのご出産

Bさんは36歳 結婚5年目で赤ちゃんが欲しいなと思ってから4年間様々なことを頑張って試してきました。

AIH(人工授精)を6回 体外受精を2回

なかなか授からずに、最先端医学と漢方薬を併用してみようと、当店にいらっしゃいました。

市外から遠いところを毎月体温表持参で通ってくださいました。

明るく前向きに振舞っていらっしゃいましたが、ご苦労は計り知れないものがあると思いました。

幸いなことに優しいご主人の協力があって一緒に取り組むことになりました。

顕微授精のスケジュールに合わせて、月経期には子宮の内膜を滞りなく排出させるように活血薬を。

卵胞期には良い卵子を育てられるように補腎陰の漢方を。

採卵してから胚移殖後は着床を手助けして妊娠が継続するように補腎陽の漢方薬を飲み分ける周期療法を採用しました。

1ヶ月でグレードの高い卵胞が採卵できました。がこの時はまだ判定はマイナスでした。

その後2ヶ月たってからの顕微授精で見事着床しスクスクと育って無事に出産の日を迎えることができました。

途中でつわりの苦しいときもありましたが、「宿っているんだ~」という喜びで長かったつわりの時期も乗り越え皆で喜びを分かち合いました。

不妊治療は長くなりますと、ストレスで血流が悪くなったり、期待と落胆の間で精神状態が不安定になったりもしがちです。

ストレス発散の漢方薬を併せ、「ストレスはお店に置いていってね」と言っています。

あまりクヨクヨしない性格の人のほうが妊娠しやすいようです。

「赤ちゃんまだ?」の挨拶言葉にもビクともしなくなった頃に授かるようですね。


不妊症 流産を乗り越えて

「お蔭様で無事産まれました。」とお電話をいただきました。
「妊娠しました~」というご報告も、もちろん嬉しいのですが、やはり無事に産まれるまでは心配の連続です。ご出産の一報のこの瞬間が一番嬉しいものです。親心に近いかもですね。そうなのです。考えてみれば私も孫ができてもおかしくない年齢なのです。漢方薬剤師冥利に尽きます。

この方は30代で流産を経験しその後なかなか子宝に恵まれず、子宮筋腫があり、多嚢胞性卵巣症候群で排卵しづらいといわれている方でした。
仕事のストレスや冷え症もあり筋腫もありましたから血液循環が良くないこと、多嚢胞性卵巣があることから「痰湿」(水分代謝しきれない副産物)があることがわかります。「赤ちゃんまだ?」のご挨拶コールに切ない思いをされていました。
排卵しづらい病気ですから、生理周期は28~50日と不順でした。基礎体温表はギザギザが激しかったです。
生理の周期に合わせて月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の4つの期の特徴を考えそれぞれの期の目的をバックアップする漢方薬を服用し2周期目にはめでたくご懐妊、二人で喜びましたが、流産を経験していると手放しには喜べず、今度は流産予防の漢方薬に切り替えて、無事出産まで、お元気に過ごされました。

苦労を乗り越えて授かった子は喜びも倍増ですね。
母乳もたくさん出て、赤ちゃんのお肌も玉のようです。妊娠前からお食事に気を使い完全和食を実践していただきました。
現代の妊婦さんにはダイオキシン・PCB・水銀などを取り込まないための知恵も必要です。その辺もバッチリ伝授したつもりです。

不妊症の基礎体温表見本です。